Milk Knowledge
牛乳見聞録
ミルク・ポーロは今日も旅を続けています。
ミルク・ポーロは、栃木県の商人であり、
全国へ 栃木県産の牛乳を『牛乳見聞録』を通して紹介する牛乳愛好家。
仔牛を産んだ母牛が、毎日乳を出します。
牛は哺乳類なので、子どもを産まないと乳は出ません。
ホルスタイン種の場合、仔牛は体重40㎏で産まれ、9~13カ月で260㎏くらいまで成長します。15カ月くらいで体重が350㎏ほどになると受胎させ、受胎後約280日後に出産します。
分娩後の乳を「初乳」といい、たんぱく質やミネラル、ビタミンなどを多く含み、特に免疫グロブリンが多いので、仔牛の健康を保つためと、仔牛の免疫グロブリン吸収能力が出生後の時間経過とともに低下するため、数時間以内に必ず飲ませます。
このように初乳はふつうの乳と成分が非常に異なるので、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」では分娩後5日までの乳を販売してはならないことになっています。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
粗飼料と濃厚飼料をバランスよく与えています。
乳牛に与える飼料(エサ)には、大きく二種類あります。
粗飼料
牧草やサイレージ(牧草や稲わらなどを乳酸発酵させたもの)など、乳牛の消化器官の働きに必要な繊維質を多く含んだ飼料をいいます。乳牛は第1胃で、微生物による発酵・分解を行い、栄養を得ます。
濃厚飼料
トウモロコシや大麦、大豆かすなど、粗飼料に比べて、たんぱく質やでんぷんなどの多い飼料をいいます。乳牛の泌乳能力を発揮させる豊富な栄養を含んでいます。
酪農家は、乳牛の体重、泌乳量、産次数、健康状態などから綿密な計算を行い、飼料を与えています。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
「賞味期限」のものと「消費期限」のものがあり、
意味が違います。
「賞味期限」は、おいしく飲める期限の目安、「消費期限」は、その日までに飲み切ってくださいという表示です。多くの低温殺菌牛乳には消費期限がつけられています。「賞味期限」「消費期限」どちらの期限表示でも、未開封で10℃以下の冷蔵保存のもとが条件です。開封してしまうと、この日付は無効になります。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
種類別牛乳の味は、いつも同じではありません。
種類別牛乳の味は、乳牛の品種や飼料(エサ)、牛乳工場での製造方法、どのような飲み方をするかなどによっていつも同じではありません。
牛乳の原料となる生乳は、乳牛が生み出す自然の産物なので、乳牛の種類や飼料(エサ)、季節や飼育方法の違いなどにより、乳量や乳成分が変化し、味や香り、コクなど風味にも影響を与えます。
日本ではホルスタイン種が主に飼育されていますが、他にもジャージー種やブラウンスイス種なども飼育されており、それぞれに生乳の成分などに特徴があり、風味も違います。また、同じホルスタイン種でも個体差があり、個体ごとの生乳の風味は、それぞれ微妙に異なります。
牛乳は反射光が散乱するので白く見えます。
明るいところで色が見えるのは、その物体に赤・青・緑の色が反射されてヒトの目に届くからです。3つの色が同じだけ反射すると白く見えます。
牛乳1mL中には、カゼインミセル(カゼインが、リン、カルシウムと一体になったマクロ会合体)が約15兆個、脂肪球が20~60億個浮遊しています。これらの微粒子ひとつひとつに光が反射するため、牛乳は白く見えます。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
乳アレルギー用の牛乳はありません。
乳アレルギーは牛乳中のたんぱく質が原因なので、アレルギーが発症しない量までたんぱく質を取り除くことは不可能です。
乳アレルギーの乳児用の育児用粉ミルクは、たんぱく質を酵素分解してアレルゲン性を抑えたミルクですが、医師の指示のもとご使用ください。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
日本で初めて飲まれたのは、飛鳥時代。
日本で初めて飲まれたのは、飛鳥時代。庶民に広がったのは明治の初めの頃です。日本での牛乳乳製品に関する主な歴史は、下記のようになります。
飛鳥・奈良時代(645年)
乙巳(いっし)の変のころ、百済(くだら)から移住した智聡(ちそう)の子孫、善那(ぜんな)が孝徳天皇に牛乳を献上。
明治から昭和[1871年(明治4)]
“天皇が毎日2回ずつ牛乳を飲む”という記事が「新聞雑誌」に載ると、国民の間にも牛乳飲用が広まるようになりました。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
昭和33年には、国産牛乳を
飲むようになりました
昭和21年に脱脂粉乳を湯で溶いたミルク給食が始まり、昭和33年に一部地域で脱脂粉乳に代わって国産牛乳を提供。
昭和39年には1年を通じて国産牛乳を提供。
昭和45年に学校給食用牛乳180mlを200mlとすることに決定。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
牛乳の冷凍はお勧めしません。
冷蔵保存してください。
解凍して飲めないことはありませんが、牛乳を解凍すると、たんぱく質は分離して底のほうに沈殿し、脂肪分は分離して浮上しやすくなります。それにより、飲み口がざらついた感じになります。
また、解凍後温めたとしても一度分離した成分は元通りにはなりにくいため、牛乳は冷蔵保存をして、開封後は早めに飲み切るか、料理に使うなどしましょう。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
牛乳にはいろんな栄養が含まれています。
カルシウム
牛乳はカルシウムを多く含むだけでなく、吸収率は、他の食品(小魚33%、野菜19%)に比べ、40%と優れています。たんぱく質が消化される過程でできるCPP(カゼインホスホペプチド)が、腸内でカルシウムの吸収を助けます。
カリウム
牛乳100g中に150mg 含まれ、多く摂りすぎたナトリウムを体外に排出する働きをします。
ビタミン
成長期に欠かせないビタミンB2やビタミンAの他、ビタミンB12なども含まれます。
たんぱく質
主にカゼインとホエイからなり、体内で合成できない不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)や、筋肉を作るのに役立つ分岐鎖アミノ酸をバランスよく含みます。
現在販売されている牛乳の9割が
超高温瞬間殺菌による殺菌です。
食品衛生法の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」により、"保持式により摂氏63度で30分間加熱殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌すること"と規定されています。
現在販売されている牛乳の9割が超高温瞬間殺菌(UHT)による殺菌です。食中毒の原因となる菌だけなく、耐熱性胞子形成菌を死滅させられるのはこの方法のみで、短時間で大量の生乳を殺菌可能です。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
低脂肪牛乳と低脂肪乳では、
使用できる原材料や成分の規格が異なります。
低脂肪牛乳
原材料は生乳のみとされ、乳脂肪分の一部を減らし低脂肪にしたものです。乳脂肪分は0.5%以上1.5%以下と定められています。
加工乳
生乳や牛乳などに脱脂粉乳やクリーム、バターなどの乳製品を加えたもの、あるいは生乳を原料とした脱脂粉乳やバターなどの乳製品を加工したものです。牛乳・乳製品以外は加えてはならないとされています。
乳飲料
乳製品や生乳、牛乳などを主原料に、ビタミン・ミネラル・果汁など乳製品以外のものを加えたものです。
「乳固形分」から乳脂肪分を除いたものが
「無脂乳固形分」
牛乳から水分を除いた全栄養成分を「乳固形分」と言います。そこからさらに乳脂肪分を除いたものが「無脂乳固形分」です。
牛乳の組成は、87.4%の水分と、12.6%の乳固形分に分かれます。
乳固形分はさらに、乳脂肪分(3.8%)と無脂乳固形分(8.8%)に分かれます。
無脂乳固形分には
・たんぱく質(3.3%)
・炭水化物(4.8%)
・カルシウムなどのミネラル(0.7%)、ビタミン類
が含まれています。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
牛乳を摂りすぎて害になるということはありません。
食事がきちんと摂れていて肥満の兆候がなければ、牛乳を摂りすぎて害になるということはありません。小学生の子どもにとって、成長のためにカルシウムは重要な栄養素です。身長が伸びるのは、新しい骨が作られ長くなっているためで、カルシウムはたんぱく質やミネラルとともに骨の材料となります。
小学生は給食の牛乳1本(200ml)にプラスして、コップ1/2杯(100ml)が一日あたりのおおよその目安です。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
牛乳を40℃以上に温めると、表面に薄い膜ができます。
この膜は、初め肉眼では見えない程度のものですが、加熱する時間と温度に比例してしだいに厚くなります。
これは、ラムスデン現象といわれるものです。豆乳から作られる“ゆば”もこれと同じ原理です。
最初にできる膜は70%以上も脂肪が含まれ、たんぱく質は20~25%でラクトグロブリンが主体です。後になるほど脂肪が少なくたんぱく質の多いものになります。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
牛乳は水分が多いので
沸点は水と同じほぼ100℃です。
正確な温度は大気圧や牛乳の種類によって異なります。
水に溶質が加わると沸点がわずかに上昇することが知られていますが、平地での日常生活の調理操作で加熱する程度ならばその差はごくわずかなものと考えられます。
※一般社団法人 日本乳業協会HPからの引用
冷たい牛乳と温かい牛乳の
消化吸収に差はありません。
温かい飲料の摂取により胃の温度が一定時間高く保たれる(※)ことが知られているため、牛乳を温めて飲むことで、消化酵素の働きが低下するのを防ぎます。
また、乳糖を消化する酵素が少ない乳糖不耐症気味の人には、温めて飲んだほうが、乳糖が分解されやすくなり、おなかがゴロゴロしにくくなるとも言われています。
(※)Sun, W.M.et.al. Effect of meal temperature on gastric emptying of liquids in man. Gut, 29, 302-305 (1988).
牛乳の栄養素だけで
身長が高くなるわけではありません。
身長が高くなるにはカルシウム、たんぱく質、ミネラル類やビタミン類など適切な栄養素が必要不可欠になります。また、遺伝やホルモン、運動も大きく関与していることが知られています。(※)
このように身長が高くなるには多くの要因があり、牛乳を飲むだけで身長が高くなるわけではありません。牛乳・乳製品には丈夫な骨を作るのに必要な、カルシウムやたんぱく質、ビタミン類が豊富ですので、毎日飲む習慣をつけましょう。併せてバランスの良い食事・規則正しい生活を心がけましょう。
(※)五島 発育期の栄養 Davis 教授の講演紹介 栄養学雑誌 39(1981)4
牛乳を飲むと太るというのは本当ではありません。
牛乳200mlには126kcalのエネルギーがありますが、これは太る原因になるほどではありません。牛乳の栄養価の高さが「栄養価が高い=高カロリー」と誤解されていると考えられます。
牛乳はエネルギーや脂質だけでなく、アミノ酸スコアの高いたんぱく質や、カルシウム、リン、ビタミンAやB2などの優れた供給源としてとしても知られています。ダイエットなどで食事量が少なくなれば、肌などの新陳代謝に必要な栄養素をバランスよく摂るのが難しくなり、肌荒れなどを生じやすくなります。その点からも、牛乳はダイエット中にこそ必要な食品と言えます。
牛乳は、最適なタイミングで摂ることができます。
朝飲むと
毎朝の牛乳・乳製品の摂取は、睡眠を改善する可能性があります。(※1)乳たんぱく質に豊富に含まれるトリプトファンから睡眠ホルモンといわれるメラトニンができて眠りにつきやすくなりますが、朝摂取することにより夜に十分に供給されるためではないかと考えられています。
運動後に飲むと
牛乳に含まれる乳たんぱく質には筋肉の回復に必要なアミノ酸が多く含まれ、運動後に飲むとよいとされています。また、中強度の運動後に乳製品を摂ることにより、熱中症の予防になるという報告があります。(※2)
夜飲むと
骨は常に入れ替わっていますが、骨へのカルシウム沈着は夜が優位になるため、夕方に摂るとよいという報告があります。(※3)夜に牛乳を飲むと牛乳に含まれるたんぱく質やカルシウムなどが骨の形成をするのに役立ちます。
(※1)メディアミルクセミナーニュースレターNo.35(J-milk 2014)p.4
(※2)牛乳で熱中症対策2015年版(J-milk 2015)p.10
(※3)Joseph F. et al., J. Clin.Endocrino Metab 92:3230-8(2007)
牛乳を飲むとおなかの調子が悪くなるのは、
牛乳中の糖質である乳糖を分解する酵素が少ないか、
働きが弱い為です。
本来乳糖は小腸内で乳糖を分解する酵素(乳糖分解酵素=ラクターゼ)により分解されて小腸で吸収されますが、ラクターゼが少ないか働きが弱いと、乳糖は小腸で分解されずそのまま大腸の方へ進みます。
大腸へ進んだ乳糖が腸内細菌により分解される際にガスや酸が産生され、ガスが大量に発生すると腹部膨満感や腹痛の原因に、また産生された酸によって腸が刺激を受けると腹痛の原因となる場合があります。さらに乳糖は大腸内に水を呼び込む性質を持っており、下痢症状をもたらす原因になると考えられています。
※一般社団法人日本乳業協会ホームページより引用
おなかがゴロゴロする人にはいい方法をお勧めします。
- ①数回に分けることで、乳糖が分解しやすくなります。
- ②温めて飲むことで腸への刺激が弱まり、ラクターゼの働きも盛んになります。
ホットミルクだけではなく、コーヒーや紅茶に混ぜる、ココアにするのもお勧めです。 - ③ヨーグルトやチーズを食べましょう。
ヨーグルトは乳酸菌の発酵によって乳糖の20~40%が分解され、減少しています。チーズは製造過程で乳糖の大部分がとり除かれています。 - ④乳糖を約80%分解した乳飲料を試してみましょう。
- ⑤乳糖が原因ではない場合もあります。
また牛乳を飲んで不快な症状を体験したとしても、乳糖が原因ではない過敏性腸症候群や牛乳アレルギーは乳糖不耐症と似た症状が現れよく混同されるため、区別は慎重にならなくてはなりません。
※一般社団法人日本乳業協会ホームページより引用
栃木県は全国第2位の
生乳生産量を誇る、
自然豊かな酪農県です。
栃木の生乳は平成11年以来、北海道に次ぐ全国第2位の生産量を誇っており、県内で消費されるほか、大消費地・東京などへ出荷されています。
※栃木県ホームページより引用
栃木県は酪農に適している
“ 酪農王国”です。
首都圏という大消費地に位置し、良質で豊富な水、肥沃な大地、穏やかな気候に恵まれている栃木県。特に、那須地域などは火山灰土壌で冷涼な気候が酪農に適している“酪農王国”です。
また、品質の高い牛乳を提供しようとする酪農家の意欲が高いことも、酪農が盛んな背景といえます。
※栃木県ホームページより引用